にがくてあまい 漫画のネタバレや感想

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今回は小林ユミヲ先生の描く『にがくてあまい』の紹介です。

江田マキ28才。
大手広告代理店の企画営業部で働くキャリアウーマン。

才色兼備で上司からも一目置かれる彼女。

でも自宅での姿はとても見せられない。

自炊できないからカップラーメンとビールが定番の夕食。

忙しいから部屋も片づけられない。

男関係もここしばらく縁がない。

皆、勝手に理想を抱いて勝手に幻滅して去っていく。

見た目と裏腹に、侘しく荒れた私生活を送るマキ。

 

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気分転換に外へ飲みに行ったはずなのに、目が覚めたらきっちり掃除された自分の部屋にいた。そしてキッチンで料理する男がいた。

その男はマキがトラウマ級に大キライな野菜を抱えてバーに現れた男。

見た目はいいけどもなぜ野菜!そう喚いて以降記憶がない。

 

男の名前は片山渚。高校の美術教師。片山は夜明けまでマキの愚痴に付き合っていたらしい。部屋まで送ってきたついでに汚部屋の掃除をし、野菜スープを作っていた。

 

お肌つるつるな片山に言われてしぶしスープを口にしたマキは驚く。野菜の甘味が引きたっている。押し麦の触感、塩だけの味付けとは思えないコクの深さ。体に染み入るようなスープにがっつり胃を掴まれてしまった。

「食べてるときの顔はすごく素直でかわいい」

そう語る片山に一瞬ときめいたが彼はゲイだった。

唖然とするマキだが、一緒にいてこんなに居心地のいい人に出会ったことがない。

料理もできて掃除も完璧。逃す手はない。

マキは少々強引な手を使い、同居に持ち込むことに。

片山はしぶしぶ同居をOKする。マキに弱みを握られたからだ。

片山の住まいは彼の雰囲気からは想像できない昔ながらの長屋住宅。ギャップに驚くマキだが、二人暮らしをスタートさせた。

 

同居初日から弁当を持たされたマキ。茶色く地味で、どこか母の手作り弁当を思わせる。辟易したマキは、同僚におすそ分けという名目で片づけてもらうつもりだったが、予想外の高評価に自らも口にする。優しい味、体が喜ぶような食材ばかりのそのお弁当。マキは過去の嫌な思い出を甦らせた。

突然田舎で農業を始めた父のせいで、家族は幸せじゃなくなった。学校を出て以来、実家とはずっと距離を置いている。野菜嫌いもそのせいなのだ。

その割に、引っ越し先はちゃんと伝えてある。片山の家には引っ越したばかりだというのに早々に実家から荷物が届いていた。ダンボールに詰められているのは新鮮な有機野菜の数々。マキの実家は今人気の野菜農家を営んでいる。

片山は痛いところをついてくる。「甘ったれの意気地なし」

「つっぱねて苦い思いするよりも、自分で上手く料理して消化してしまえばいい」

マキは不思議だった。弱みを握られたとはいえ、なぜ片山は自分との同居をOKしたのか。ゲイの片山は女には興味はないのに。

答えは単純だった。

「おいしそうに食べるから」

 

にがくてあまい 漫画の感想

読んでると食べたくなる。

料理してみたくなる。体に良いと思えばなおさらです。

この本を手に台所に立つのもいいかもしれません。

野菜農家を営む父のせいで大の野菜嫌いになり、ジャンクフードと酒で生きているマキ

食事が体を作るという基本中の基本を忠実にこなす、ゲイでベジタリアン片山。

一見正反対な感じで反発し合うのかと思いきや、マキが精神的に幼いせいかもう既に片山の手の上でコロコロされています。胃を掴むっていうのはまさにこういうことなんだなーと思いました(笑)

あと、片山の言葉は読んでるこちらも戒められる気がしますね。ちゃんと野菜を食べよう。もっと体にいいもの食べよう。ジャンクフードばっか食べてないで自炊しよう!

もちろんマキと片山のコンビ(?)が、一つ屋根の下でどんな風に暮らしていくのかも気になるところ。続きも楽しみです。

 

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