よるくも 3巻のネタバレあらすじや感想・結末など

よるくも 3巻のネタバレあらすじや感想・結末など

漆原ミチさんのダークSFファンタジー、「よるくも」のあらすじを結末までご紹介します☆
全5巻完結！結末までネタバレあり♩
不気味なのに不思議な世界観にやられます。

よるくも漫画の概要
よるくもネタバレと結末・感想
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よるくも漫画の概要

金持ちから最貧困まで3層にわかれた世界。
貧しい「畑」の世界の世界で小さな料理店を営むキヨコ。
ある日「畑」よりもさらに最下層「森」からやってきた小辰、という美青年を世話することになります。
しかしこの美青年、実は「よるくも」という殺し屋でした。
幼いころから「殺し」だけを教育されてきた青年の未来とは…

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よるくもネタバレと結末・感想

よるくも 3巻

キヨコが逃げた先はやっぱり畑の高岡飯店があったあのビルで。
でもそこに行ってみたらもうその場所に店は無く、かつてよくしてくれたとし子さんが店を構えようとしてるところで。
新しい生活を手に入れようとする彼女が、戻ってきたキヨコをよく思わないのはわかる。
彼女の本音を聞いて「おめでとう！」と言ってしまう自分がいる。
逃げて。縋って。意地を張って。
自分に絶望してしまうキヨコ。
そこに現れた百。
百はキヨコを手に入れる為に店を破壊してしまう。
「……キヨコあんたまさかーー店とられた腹いせに、けしかけたんじゃ？」
…もうとどめだよね、こんなの。
頼るものがなくて戻ってきた畑で、誰からも受け入れてもらえず、疑いの眼差しまで向けられる、と。
中田が自分を連れ戻すために百を寄越したのではないかと思ったがそうではないとわかり、またしても自分が嫌になってしまう。
もう、なにも、なくなってしまった、キヨコ。
「キヨコ、お前の目をーー少し味せて。（中略）…ねぇお前の涙がただの塩味だったらその目玉を吸い出してやるつもりだったが心のたくさん入った、すごくいい味がしたよ。」
ももーーーー!!!!
怖い子とか言ってゴメン！
物凄くいい子だね！
思わず涙が溢れてきたよ…。
屋敷に来いと言われ百の喜ぶことがしたいと思ったものの、それは百のためではなく、自分がひとりぼっちになりたくないがための感情であると気付いたキヨコ。
「もーーホント、どうでもいいよ。」

「豚は、殺しても新しいのがくる。」
そう言って、“新しいキヨコ”を捜す小辰。
“新しい7号”もその話を聞いているのに、反応するのは番先生だけで。
この温度差に、一気に涙が込み上げてきました…。
このシーンの後の、散ってしまったチューリップをホッチキスで元に戻そうとしてる小辰の姿も印象的でした…。

虫の将来を案ずる番先生がよるくもと接して不安になり、中田に子供たちが幸せになれるのかと問いかけると、自分のことを話し始めた中田。
半身だけ痛覚のある体のおかげで虫の自分がここまで生きて来られた。
痛みや恐怖や用心を知った。
それと同時にとんでもない苦しみも知ったと語る彼。
「だから、痛みはいらない。小辰に必要なのは沸き続ける怒りとーーそれを制御する装置だ。」
そこに現れた小辰が中田の傷を見て尋ねる。
「おれのケガを見て、キヨコはキヨコの心が痛いと言っただから、いまおれの心は痛い？」
あーもうこのシーンもだめだ。
涙が出てくる。
痛みを知らない小辰が、痛みを知るキヨコを見て、そして痛みを知る中田にそれを問いかける…。
小辰には必要ないと思っている“痛み”を知ろうと、問いかけてくる…。
小辰は家族である中田が怪我をしているから、自覚しているかどうかは別として心配してそう言ったんだろうけど、
痛みを知らない小辰にこんなことを言われたら…
しかも自分は番先生から腕を切断しなければならないかもと聞かされた直後で…
「痛いかって？いいや？お前は痛くない、だろ？」
無神経、と思う心と、
王になる者が痛みを知ってしまう事の恐怖がないまぜになって、小辰の頬を叩いた中田。
このシーンではさらに涙が出てきました。
そして、色々考えさせられたなぁ。
中田と小辰の関係がただの上司と部下ではないと知った今だからこそ、辛いシーンだなと感じました。

無断で外に出て部外者（キヨコ）を屋敷に連れてきた百を追及する王子。
「兄に。寝込んで日がな一日ベッドにいる私が好きなら、このサンドイッチにも、毒を入れるべきだ。」
……えーーーー!?
なにこれ、もしかして王子は常日頃から百の食事に毒を盛っていたってことなの!?
前の巻で金魚が死んだのはそれが原因？
でもそうだとすると、百は全部知ってて金魚ごとその水を飲んだってことなんだよね；
何を考えてるんだろう…。
そして王子…！
ただのシスコンだと思ってたのに、毒を盛ってまで妹を自分の意のままにコントロールしようとしてただなんて…！
改めて、不気味な兄妹だなと思ってしまいました；

王子の変態コレクションは……想像以上に凄かった。
凄すぎて最初全体像…というか、どういうことなのかよくわからなかったです；
虫を爆弾として使っていた中田が王子と対立していた理由…
酷い事をしているように見えた中田が、もしかしたら虫のことを一番ちゃんと考えて面倒見てあげていたのかもしれないなと思いました。

豚も人間も、死ねば新しいものが来る、と思っていた小辰。
それが新しい7号の手首に刻印された『07』という数字を見て、やっと「同じ 7号じゃない…」と気付いたシーン。
小辰と違って私はとっくに気付いていたことなのに、小辰と一緒に息をのんでしまいました…。

死んでも新しいものが来ると思っている小辰に、あえて自分が死んでも新しい自分が来るから大丈夫だと言った中田。
「……本当、ですか？新しい中田店長は、中田店長と同じですか？」
もうだめ、私ドツボにはまってる。
涙が出てきてしょうがない…。

自分の体はもうもたない。
小辰が少しずつだけど、学んでいこうとしている。
…とうとう王子と決着をつけることにした中田。
先制したのは王子で、痛覚がある方の中田の体に銃弾を撃ち込む事に成功。（痛覚の事は誰も知りません）
王子が優勢かと思った戦況は、中田が王子の用意した暗殺者を全員殺した事で形勢逆転。
よっしゃいけいけ、とか思ってたら最初に撃たれたせいで動けなくなってしまった中田。
必死に小辰にキヨコを連れて逃げろと言い、
そして自分の後任にしようとしているキヨコにも「もう小辰しかいないぞ、お前をひとりにしないのは！」と言ってこの場から逃げるように言うんだけど…。
動けなくなった中田に銃を向ける王子。
その王子を道連れに自爆しようとする中田。
やだやだやだ。
と思ってたらもっと嫌な展開に。
今まで微動だにしなかったキヨコが立ち上がったかと思ったら王子の銃を奪い、その銃口を中田に向けて。
………もう嫌だこの展開。
どこまで…
ほんとにどこまで堕ちていくのか。
最初の頃はキヨコが正義(?)だと思ってたけど、それはあくまで普通に生きてきた人間としての共感であって。
森で生まれ、酷い扱いを受けながら生きてきた虫である彼らの立場から見た世界というものをやっと理解出来そうになってきたところで。
そうなってくるとキヨコより中田の方に感情移入出来たくらいで。
小辰にとっては唯一信頼出来る存在でもある中田。
虫の子供たちからも、それなりに慕われていたようで。
そして彼自身、虫のことを誰より考えていたのに。
……そんなことは知らないキヨコは、ただ母親を殺されたということだけが頭の中を巡っていて、もう今にも引き金を引いてしまいそうな状況。
このシーンを見るまでは、自分が負わせた傷のせいで中田が腕を切断しなければならなくなったと知ったらキヨコは後悔するんだろうな。
泣いて泣いて、中田のもとに戻ってくるんだろうな、とか思ってたんだよ。
でも甘かった。
めちゃくちゃ甘かった。
もうキヨコには、自分がひとりになった原因を作った男への復讐しか残っていなくて。
その思いだけを抱えて息をしていたんだろうなと。